FC2ブログ

Entries

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉝ 別れの歌…その4(最終回)

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉝ 別れの歌…その4(最終回)つひにゆく道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを『古今集』巻16哀傷歌に採取された歌で、これが業平の辞世である。「詞書」に「病を得て体力気力ともに衰えた時に詠んだ」とある。『伊勢物語』でも最終段の125段に、「昔、男が病に伏し死期が訪れたことを悟りこの歌を詠んだ」との一文があり、この歌が置かれている。辞世としては何ともあっさりしたもの...

第32回 「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉜ 別れの歌…その3世の中にさらぬ別れもなくもがな 千代もとなげく人の子のため『古今集』巻17雑歌上に採取された歌である。詞書に、「母が長岡京に住んでいた時、業平には宮仕えがあり訪ねる機会があまりなかった。師走に入り母から便りが届いた。文ではなく歌であった」とあり、「老いぬればさらぬ別れもありといへば いよいよみまくほしき君かな」の贈歌と、業平の返歌が置かれている。母は...

31回 「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉛ 別れの歌…その2おほかたは月をもめでじ これぞこの積もれば人の老となるもの 『古今集』巻17雑歌上に収められた歌である。紀貫之は『古今集』巻頭の仮名序で、業平の歌を「心あまりてことばたらず」と評し、その実例としてこの歌を挙げている。この歌を文字通りに解釈すると、「およそ月など愛でてはならぬ。それが積もれば人の老いとなるのだから」となるが、それでは言葉の意味がわかっても...

第30回「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉚ 別れの歌…その1今ぞ知る 苦しきものと 人待たん里をば離(か)れずとふべかりけり「古今集」巻18雑歌下の歌である。この歌には、「紀利貞が阿波・徳島の国司に任命され赴任するにあたり、送別の宴を開こうと待っているのだが、あちらこちらへ別れの挨拶回りをしていて、夜遅くなってもやってこないので、使いの者に早く来るよう歌を持たせて催促に行かせた」という詞書がついている。紀利貞は『...

第29回 在原業平 

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉙ 惟喬親王との交わり…その4わすれては夢かとぞ思ふ おもひきや 雪踏みわけて君を見んとは『古今集』巻18雑歌下に採取されたこの歌には、おおよそ次のような詞書が付いている。「日頃、惟喬親王にお仕えしていたが、親王は剃髪し僧籍に入られ、比叡山の麓の小野という処に庵を開かれた。正月にお慰めしようと出掛けたが、雪が深い田舎なので必死の思いでようやくたどりついた。ご尊顔を拝すると...

第28回「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉘ 惟喬親王との交わり…その3飽かなくにまだきも月のかくるるか 山の端逃げて入れずもあらなん『古今集』巻17雑歌上に収められたこの歌には、次のような詞書がついている。「一日、惟喬親王の狩のお供をして夕方宿舎に戻った。その夜も酒宴が催され、大いに飲み大いに話が弾んだ。11日の月が山陰に隠れようとする時分、親王は酔って寝所に入ろうとされたので、右馬頭が歌を詠んだ」とある。さて...

第27回「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉗ 惟喬親王との交わり…その2狩り暮し たなばたつめに宿借らん 天の川原に我は来にけり『古今集』巻9羇旅歌(きりょか:旅の思いを詠んだ歌)に収められた歌である。詞書に「惟喬親王のお供をして狩りに出た折に、天の川という典雅な名をもつ川の岸辺で酒宴を催した。親王が「誰か、狩をして天の川の辺りまできてしまったという題で歌を詠み、盃を干しなさい」とおっしゃったので、在原業平がこの...

第26回「在原業平」

在原業平 いとあはれなる歌と人生㉖ 惟喬親王との交わり…その1世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし『古今集』巻1春歌上に「渚の院にて桜をみてよめる」の詞書とともに、この歌が収められている。『伊勢物語』では第82段に、「昔、惟喬親王(これたかのみこ)と申すお方がいらっしゃった。惟喬親王は別荘を亡父文徳天皇の離宮があった山崎の先の水無瀬に所有されており、毎年桜のさかりにお出掛けになった。そ...

Appendix

プロフィール

札幌南高校を1963年に卒業した13期東京同期会の仲間の交流の場として2006年12月に開設



★編集部へのご質問等のご連絡は左側サイドのずっと下の方にある「編集部宛連絡メール」欄をご利用下さい。

元気会雑談サロン

ちょっとした情報提供やお知恵拝借など気楽な意見交流の場です。
アンダーラインのある記事タイトルをクリックすると、記事本文を読めます。
投稿済の記事への感想等はタイトルをクリックしてお書き下さい。
新しい投稿記事は「投稿する」欄をクリックしてお書き下さい。
ずっと下の方にある「仲間のHPへのリンク欄」に読みやすい大活字版の元気会雑談サロンを設けています。写真の投稿もオーケーです。

最近の記事へのコメント

投稿記事への読者の感想等コメントを、新しい順に10本表示します。 タイトルをクリックしてコメントの文章をお読み下さい。 悪戯コメントと見当がついた場合は黙殺・無視して、文中のURLにさわらないようにして下さい。
2021年3月末現在の収録記事本数は2646本です。

最新記事一覧

13期元気会ブログへの投稿とコメントの出し方 Jan 01, 2035
とぼとぼと馬車馬のごとくー20                       渡米前 Apr 17, 2021
久楚辞の漫筆録第五十三回 他者への寛容さ Apr 14, 2021
長沼町の丹頂鶴 Apr 12, 2021
中島公園界隈(12) Apr 09, 2021
百人一首 平安の雅に浸る 31.坂上是則 Apr 06, 2021
薬樹院の太閤桜 Apr 03, 2021
久楚辞の漫筆録:第五十二回 家系図 Mar 31, 2021
黄砂に霞む満月と桜 Mar 30, 2021
早春の午後 Mar 29, 2021

記事・コメントの検索

過去のたくさんの記事やコメントから興味深い記事・コメントを探してみましょう。
検索したい語句(1つ)を四角い空欄の中に入力して「検索」をクリックして下さい。表示される見出し一覧の日付欄をクリックすると記事全文が表示されます。

全部の記事を調べる方法

過去の全部の記事を表示する

上の行の「過去の全部の記事を表示する」をクリックしていただくと、札幌南高13期東京同期会ブログの全部の記事のタイトル等見出しが新しい順に表示されます。興味のある記事タイトルをクリックすると、記事全体が表示されます。

記事の月別分類

読みたい月をクリックして表示される見出し一覧の日付欄をクリックすると、その日の記事全文が表示されます。
 

編集部宛連絡メール

ご意見・ご質問などお待ちしています。 ブログ等のインターネット利用技術の相談もお受けします。

送信者の名前:
送信者のメールアドレス:
件 名:
本 文:

当ブログの閲覧者数

アクセス・カウンターの数字にカーソルを合わせるとアクセス・グラフが表示され、直近8日間の閲覧人数がわかります。