札幌南高13期東京同期会
13期元気会の仲間の交流の場
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「百人一首 平安の雅に浸る 」 28.源宗于朝臣
山里は冬ぞさびしさまさりける 人めも草もかれぬと思へば
歌の拡大解釈: 山里とは、そもそもが寂しく侘しいものだ。それでも、春には桜が咲き、秋には紅葉(もみじ)が色づき、心を和ませてくれる。ところが冬になると、訪ねてくる人もかれ(離れ)、草木もかれ(枯れ)はててしまう。そう思っただけで、身も心も凍るばかりに冷え込んで、寂しさ侘しさがつのるばかりだ。
作者と歌の背景: 作者の源宗于(みなもとのむねゆき)は、祖父が光孝天皇、父がその第一皇子・是貞親王で、臣籍に降下して源姓を賜りました。由緒正しい家柄とあって、位階は従四位下からスタートしましたが、亡くなったときが正四位下と40年ほどで従から正へ二階級昇進したにすぎず、天皇の孫としては寂しい一生を送った印象が拭い切れません。
この歌は山里の冬の寂しさを詠っていますが、宗于には宮仕えがあり、山里に住んでいたとは思えません。出典の『古今集』には「冬の歌とてよめる」とあり、山里での生活を想って詠んだ歌のようです。宗于は当初こそ天皇に近侍する武官でしたが、その後は相模守や信濃守など地方官を歴任するなど、地味な役職に終始しました。
平安中期に成立した歌物語の『大和物語』には、宗于が昇進の遅いことを宇多天皇に嘆き訴えた話が長々と綴られています。それが事実だとすると、この歌も昇進をそれとなく訴えているようにも、また自分の不本意な生涯を振り返った歌のようにも思われ、宗于の心情が心に迫ってきます。
〔令和新時代の一人百首〕
皇親貴族ながら官位の不遇を嘆いた宗于の心情を偲びて まこと
わびずまいたづぬる人もかれぬれば 鹿なく声にわれを重ぬる
2021年2月(下):ゴースト・オブ・ア・チャンス(ほのかな望みもない)
人は誰でも輝く一瞬があると言う。人生80年、もう待てない。早くしてくれ!

文:6組 林+写真:1組 桐村
歌の拡大解釈: 山里とは、そもそもが寂しく侘しいものだ。それでも、春には桜が咲き、秋には紅葉(もみじ)が色づき、心を和ませてくれる。ところが冬になると、訪ねてくる人もかれ(離れ)、草木もかれ(枯れ)はててしまう。そう思っただけで、身も心も凍るばかりに冷え込んで、寂しさ侘しさがつのるばかりだ。
作者と歌の背景: 作者の源宗于(みなもとのむねゆき)は、祖父が光孝天皇、父がその第一皇子・是貞親王で、臣籍に降下して源姓を賜りました。由緒正しい家柄とあって、位階は従四位下からスタートしましたが、亡くなったときが正四位下と40年ほどで従から正へ二階級昇進したにすぎず、天皇の孫としては寂しい一生を送った印象が拭い切れません。
この歌は山里の冬の寂しさを詠っていますが、宗于には宮仕えがあり、山里に住んでいたとは思えません。出典の『古今集』には「冬の歌とてよめる」とあり、山里での生活を想って詠んだ歌のようです。宗于は当初こそ天皇に近侍する武官でしたが、その後は相模守や信濃守など地方官を歴任するなど、地味な役職に終始しました。
平安中期に成立した歌物語の『大和物語』には、宗于が昇進の遅いことを宇多天皇に嘆き訴えた話が長々と綴られています。それが事実だとすると、この歌も昇進をそれとなく訴えているようにも、また自分の不本意な生涯を振り返った歌のようにも思われ、宗于の心情が心に迫ってきます。
〔令和新時代の一人百首〕
皇親貴族ながら官位の不遇を嘆いた宗于の心情を偲びて まこと
わびずまいたづぬる人もかれぬれば 鹿なく声にわれを重ぬる
2021年2月(下):ゴースト・オブ・ア・チャンス(ほのかな望みもない)
人は誰でも輝く一瞬があると言う。人生80年、もう待てない。早くしてくれ!

文:6組 林+写真:1組 桐村
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